酷い目に遭うことが、あなたの幸せの源泉:思想家コラムその7


私は普段、表現活動をしています。




映画制作で被写体を撮り続けると「人間の矛盾」に突き当たります。

そこからが、表現のスタートだと私は思っています。

先ずは、なぜ私が映画という表現方法を始めることになったのか?というお話をさせていただきます。

映画を作る前は、インタビュー映像を作りAmazonプライム・ビデオで公開していました。

今でもたくさん公開していますので、よかったら観て下さい。

それを続けていく中で「いやだな」と思うことが出てきました。



当然インタビューでは、人はいいことしか言いません。

インタビューの対象者は基本、成功者です。

ただその後もその方達を遠くから観察すると「言っていることとやっていることが違う」という「矛盾」に失望することが多くありました。

私はこういった精神の落ち込みのことを「絶望」と呼んでいます。

人生において絶望と希望は正比例していると思っています。

絶望が多い人は、それだけ幸せになれます。

三島由紀夫が「君たちの絶望は体操をしたらなおってしまう絶望なんだよ。だからダメなんだよ。」と言ったそうです。

全てに満たされている現代人が、一見幸せそうでも歓喜や感動に溢れていないのはそういう理由です。

私もこの絶望をどう希望に変換しようか、年単位で悩みました。

そして、ある時に気がつきました。

そこまで包含して表現できるのが映画なのではと。

インタビューだと1〜2時間なので、人を著すのには短すぎます。

長期で撮影していけばその矛盾まで表現できるのではというのが今のところの私の考えです。

「ゆきゆきて進軍」という世界的名作を作られた原一男監督がいます。

原監督は、「れいわ一揆」という政党れいわ新選組の選挙活動を映画として30日間ほどで撮りました。

劇場公開後の原監督へのインタビュー記事でおもしろいことを知りました。

完成後、れいわ新撰組の事務局から毎日原監督に電話があったそうです。

内容は映画の中の、ある部分を削除しろとのことです。

ある部分とは一般の方は分からないのですが、厳密にいうとそのシーンには、グレーですが「公職選挙法違反」行為が映ってしまっていたそうです。

あくまでも、ものすごく厳密にいうとらしいです。

映画を見た政党の方が、日に何度も原監督にそのシーンの削除依頼の電話をしてきたそうです。

困った原監督は、主演の東大教授の安冨さんに相談したところ、安冨教授が政党に一喝し、それからは電話はかかって来なくなったそうです。

安冨教授が言ったのはざっくり言うと「リベラルをうたっている政党が、人の表現の自由を奪おうとしていることが世に知れたらどうするんだ」といった内容だったと思います。

あと政党の山本太郎代表が、撮影中も含め一度も原監督とは話さず、インタビュー依頼をしても全て断られ、原監督は無視され続けたそうです。

あれだけカリスマ性を持って熱狂を生んだリーダの側面がそれです。

このインタビュー記事は、映画完成後のエピソードとして非常におもしろいですが、このことは映画の中では表現されていません。

そこまで包含して表現できたらなんておもしろいんだろうという思いはあります。

映画は完成した後ですが、私は自分の作品ではそこまで含めて表現できる方法があるのではないかと模索しています。

ここまでのお話で何が言いたいのかというと




・人は元来矛盾した生き物である

・矛盾が一つの個体の中にパッケージングされているものを人と呼んでいる

・途中から矛盾が生まれるのではなく、最初から人は矛盾しているが、長く観察し続けているとその矛盾が表出してくる瞬間がある

・その矛盾を表現することが「芸術」の一環である

・芸術の手法の一つが映画である

映画だけでいくと最初の映画をまた分解して、その部分を付け加えて作品にするというのも一つの方法ではないかなと思います。

やっている人はあまりいないですが、商業ベースでなければ可能です。

自分がやればいいだけのことなので、これは出来ることだと思います。

もう一つは、文字として残すというのもありだと思います。

出来たら書籍にできたら、なおいいと思います。フィクションにしても良いと思います。

私は人間研究家です。

人間に最も興味があります。

僕の人間研究のツールのために映画制作や出版といったクリエイションがあります。

人の矛盾とその先の可能性が、今のところの僕のモチーフなのかなと思います。

そんなことを考えながら、日々創作活動をしています。






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